「to」と「toward」って何が違うん?
次の例文を見て、ニュアンスの違いが分かりますか?
-
Shin-chan was walking to his nursery school in the morning.
-
Shin-chan was walking toward his nursery school in the morning.
どちらも和訳は「しんちゃんは朝に保育園に向かって歩いていた。」となります。
この2つの文章は文法の観点から見た時は、まったく問題ありません。
しかし、意味の観点からは微妙な違いがあります。
今回はこの微妙な差異について学びましょう。
目次
【to】到達点を表現する前置詞
Masao-kun ran to the park.
「to」は【到達した(/すべき)地点】を示し、全体の表現はそこへ到達することを前提にしています。
今回、前置詞句として「to」は「the park」とまとまっています。
つまり、マサオくんは「最終到達点=公園」と想定していることが例文からうかがえます。
ただ注意していただきたい点が一つあります。
「to」を伴う表現において重要なことは、「最終到着地点」について含意しているにすぎず、「公園に向かうまでの途中の進行方向」については触れていないということです。
少しわかりにくいとは思いますが、towardとの比較をすると分かりやすいと思います。
【toward】方向を表現する前置詞
Masao-kun ran toward the park.
「toward」は単に進行方向を示し、到達点・目的地に到着するかどうかは問いません。
つまり、「toward the park」という前置詞句において必ずしも「最終到達点=公園」とはならないということです。
具体的にはどういうことなのか、例文を基に説明します。
例文の多義的な解釈として「マサオくんは公園に向かって走った」以外に次のようなものが考えられます。
・「マサオくんは(公園の手前にある図書館に行くため、)公園がある方向に向かって走った。」
・「マサオくんは(公園の向こう側にあるスーパーに行くため、)公園がある方向に向かって走った。」
この解釈からもわかるとおり、「最終到達点=公園」である必要はなく、目的地が公園のある方向に存在すればOKということです。
【ちなみに】「toward」と「towards」の違いは?
「toward」と似た表現として「towards」を見たことがありますよね。
スペル上では「s」の有無でしか違いはありませんが、他にはどんな違いがあるのでしょうか。
結論:意味の上では、違いは全くありません。つまり、どっちを使ってもいいんです。
国によって好まれる前置詞が異なるだけです。
「toward」はアメリカで好まれる前置詞であり、「towards」はイギリスで好まれる前置詞です。
実際にアメリカにおいては、「toward」のほうが「towards」と比べて5倍ほど多く使用されるという意見もあります。(LearnersDictionary.comより)
まとめ
【to】
最終目的地・到達点が意識されている
目的地に到達するまでの進行方向については問わない。
【toward/towards】
進行方向が意識されている
目的地についてはさほど強く意識はされない。
ブログランキングに参加しています
ポチっとお願いします。m(_ _)m
この記事へのコメントはありません。