我々日本人にとっては馴染みのないセミコロン。
皆さんはどの程度セミコロンの使い方について知っていますか?
セミコロンの正しい使い方についてはよく知らないという方が多いのではないでしょうか。
実は英語圏に住んでいるネイティブの人でもセミコロンの使い方についてはよく理解してない人も少なくありません。
ですので、正しくセミコロンを使えるようになれば、あなたに対する英語圏の人の印象は大きく変わります。
「英語をきちんと使える人なんだ」となることは間違いありません。
今回はセミコロンの使い方について整理しましたので、ぜひこの機会に身につけてください。
目次
セミコロンの主な用途は2通り
リスト中の品目を分ける
1つ目の使い方は、「リスト中の品目を分ける」使い方です。
まずは、この1つ目の使い方により、セミコロン自体がどのように役に立つのかを説明しましょう。
まずはこの文章を見てください。
I bought pinapples, grapes, and kiwi fruits.
この英文であれば、このままでも全然問題ないですね。
しかし、次の例文はどうでしょう。
I bought juicy, ripe pinapples, small, ripe, sweet grapes, and firm kiwi fruits.
注意して読めば理解できないこともないですが、何より読みにくいですよね。
こんな時にセミコロンを使用します。
I bought juicy, ripe pinapples; small, ripe, sweet grapes; and firm kiwi fruits.
セミコロンを使用することで、意味のまとまりが視覚的に捉えられるようになり、読みやすくなりましたね。
この機能がセミコロンの特性です。
この特性を踏まえて、以下の例文を見てください。
The speakers were: Dr Sally Meadows, Biology; Dr Fred Eliot, Animal Welfare; Ms Gerri Taylor, Sociology; and Prof. Julie Briggs, Chemistry.
The four venues will be: Middleton Hall, Manchester; Highton House, Liverpool; Marsden Hall, Leeds; and the Ashton Centre, Sheffield.
The main points in favour of the system were that it would save time for buying, accounts and on-site staff; it would be welcome by the reception staff; it would use fewer resources; and it would be compatible with earlier systems.
3つの例文には共通点があります。
(以下、Sは主語、Vは動詞句とします。)
S V: A, A’; B, B’; and C, C’.
または
S V: S’ V’ ; S” V”; and S”’ V”’.
という構造ですね。
加えて、初めの節(SV)には「複数名詞」または「数詞+複数名詞」(※1)が含まれる点が共通しています。
この2点を踏まえることが重要です。
(※1)ちなみに、セミコロンの使い方に限らず、英文中で「複数名詞」または「数詞+複数名詞」が出てきた場合、大抵その後に具体的な項目が続くことが多いです。
というのも、英語では常に「抽象的表現 → 具体的表現」という流れが暗黙のうちに共有されているからです。
節同士を接続する
2つ目の使い方は「節と節を接続する」使い方です。
密接に関連した節同士を接続詞(and, but, becauseなど)を使って接続するのではなく、セミコロンを使って接続します。
ここでいう「密接に関連する」とは、因果関係や並列関係、対比関係のことを指します。
【並列関係】
I read the comic magazine last night, but it was not funny.
↓
I read the comic magazine last night; it was not funny.
【対比関係】
Mike drives a Lamborghini, whereas(=while) Shinya drives a Ferrari.
↓
Mike drives a Lamborghini; Shinya drives a Ferrari.
【因果関係】
I will go to the famous restaurant as soon as I finish working. This is because I made the promise to my family to have dinner there.
↓
I will go to the famous restaurant as soon as I finish working; I made the promise to my family to have dinner there.
接続副詞(※2)と合わせて利用されることもあります。
I had a huge meal one hour ago; however, I’m not full.
You should review your analytics report; otherwise, you would damage your firm’s brand if you have mistakes about figures.
接続副詞と合わせてセミコロンを利用する際には、接続副詞の頭文字は必ず小文字にして、直後にカンマを入れなければなりません。
(※2)接続副詞とは、副詞でありながらも接続詞と同様の機能を果たす語を指します。
(例)besides, accordingly, consequently, instead, hence, otherwise, therefore, thus, however, still, nevertheless…etc.
そもそもセミコロンを使うべき理由とは?
まず、根本的なことから申し上げます。
はっきり言って、セミコロンは使わなくても大抵の英文は正しく書くことができます。
セミコロンでしか表現できない文章なんてものはありません。
セミコロンはある状況で敢えて使われる句読点なんです。
では「敢えてセミコロンを使う意味・メリット」とは何でしょうか。
セミコロンを使うメリットとして、冒頭でも触れたとおり、ネイティブでも正しく使える人が多くないので、日本人の我々が使えるようになれば印象が良くなると書きましたが、それは結果でしかありません。
敢えてセミコロンを使う意味・メリットは簡単に言うと3点あります。
(何度も言いますが、セミコロンを使うことは「敢えて感」が備わることを覚えてください。)
接続詞の多用を防ぐ
英文中の節同士の関係性を接続詞で表現することは当然可能です。
ですが、なんでもかんでも接続詞で節同士の関係性を表現するのも味がありません。
そこで、セミコロンを使用し「文の構造に関してはこういう表現の仕方もできますよ。」とアピールする事で、文構造の多様性を加えることができます。
端的に言えば、「英語上級者だからこのくらいはできますよ」っていうアピール(自慢)です。
節同士の関係性に注目させる
先程も言ったとおり、すべての節同士の関係性は接続詞で表現できます。
ですが、敢えてセミコロンを使うことで、その節同士の関係性を強調することができます。
リスト中の品目の区別を明確にする
これは、セミコロンの一つ目の使い方のところでも説明しましたね。
視覚的に読みやすい文章を作成する際に、セミコロンを効果的に利用することが最適な場面がありました。
まとめ
今回はセミコロンに使い方について説明しました。
セミコロンの使い方は以下の2通りに集約されます。
- リスト中の品目を分ける
- 品目の区別を明確にする
- 節同士を接続する
- 接続詞(and,but, becauseなど)の代わりに使用
- 接続副詞(however, otherwise, thereforeなど)と合わせて使用
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